【厚生労働省】労働災害防止に向けたより一層の取組の推進に関する要請

9月29日、厚生労働省より小売業(食品スーパー・総合スーパー)関連の業界団体に対し、食品スーパー及び総合スーパーにおける労働災害防止に向けたより一層の取組についての協力依頼がございました。

食品スーパー及び総合スーパーにおける労働災害防止に向けたより一層の取組について(協力依頼)~転倒等による労働災害が多発しています~
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000836841.pdf

小売業では、労働災害の件数が増加を続けており、災害発生率も増える傾向にあります。
令和2年には死傷災害(休業4日以上の労働災害)の発生件数(15,257件)が建設業を上回ったこと、今年も増加傾向に拍車がかかっていることなど、大変憂慮すべき状況にあります。
発生している労働災害の内訳を見ると、「転倒」によるものが最も多くなっており、骨折などにより1か月以上の休業となるものが約6割に達するなど、厚生労働省は労働災害の重点業種と位置づけております。
こうした小売業の中でも、特に食品スーパー及び総合スーパーにおいて労働災害が多発しています。貴団体の業種では、現在、新型コロナウィルス感染防止に総力を挙げて取り組まれていることと存じますが、お客様の安全・安心と同時に、転倒災害の防止など従業員が安心して安全に働き続けられる環境を作ることが、事業を継続する上での重要な経営課題であると考えられ、女性や高年齢者が益々活躍できる社会の実現のためにも大変重要な課題です。

「食品スーパー」及び「総合スーパー」における主な特徴は以下のとおりです。
1) 「転倒」による災害が全体の34.5%と最も多く、被災者の約9割が女性であること。
2) 転倒災害の7割が骨折を伴い、約6割が休業見込期間1月以上と重傷化の傾向があること。
3)  年齢・性別では、50代以上の女性の転倒災害が多いこと。
4) 転倒災害は、店舗内での「つまづき」、バックヤードでの「滑り」によるものが多いこと。

つきましては、食品スーパー・総合スーパー事業者の皆様におかれましては、以下の取り組みについて、一層の推進をお願いいたします。

(1)企業単位での取組の促進
事業場(店舗)の労働災害発生状況を把握・原因の分析を行い、発生状況に応じた労働災害防止の重点事項を定め、取り組まれるようお願いします。多店舗展開する企業においては、各店舗の状況を把握し、本社主導による企業全体での取組をお願いします。

(2)転倒災害の防止
最も多発している転倒災害は、濡れた床面、段差、手すりのない階段などの設備面、走るなどの不安全な行動、加齢による運動機能の低下など、複合的な原因で発生します。このため、従業員の不注意ということで片付けることなく、設備面の改善、不注意な行動の防止、日頃からの運動を含めた職場での健康増進などの取組を、以下の4点を重点に従業員の方々の参画のもとで取り組んでいただくようお願いします。
 ① 4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)
 ② 危険の見える化(転倒の危険がある場所を分かりやすく表示する)
 ③ すべりにくい靴(耐滑性の高い防滑靴)の着用
 ④ 転倒予防体操の実施
また、このたび厚生労働省と消費者庁は、日本転倒予防学会と協力して、日本転倒予防学会が制定する10月10日の「転倒予防の日」を契機に、国民に対する転倒予防の呼びかけを行うこととしました。「転倒予防の日」を契機に、職場での転倒予防の取組が広く実施されますようお願いします。

(3)腰痛災害の予防について
食品スーパーや総合スーパーでは、転倒災害に加えて腰痛災害も多く発生しており、両者は相互に関連することがありますので、腰痛予防にも取り組んでいただきますようお願いします。

(4)職場における健康づくりや労働者に対する教育・研修等の場の活用
転倒災害や腰痛災害は労働者の作業行動や身体機能等の影響によるところも大きく、事業場における設備的対策のみでは十分に災害防止効果を発揮できないことがあります。このため、職場における健康づくりに関する取組や、労働者に対する教育や研修、業務ミーティング等の場も活用し、災害に遭いにくい健康な体づくりや災害に遭わないような作業行動を労働者一人ひとりが心がけるような気運醸成に取り組んでいただくようお願いします。

(5)小売業の労働災害防止の取組において活用いただけるツール等、各企業において、重点項目に応じ以下のツールを活用願います。
・「職場の危険の見える化」を行うための実践的なマニュアルで、ダウンロードが可能なイラストで構成される
「職場の危険の見える化(小売業、飲食業、社会福祉施設)実践マニュアル」
・多店舗展開する小売業において、企業本社・本部が各店舗を含めて企業全体としてリスクアセスメントを、効果的・実践的に行う手法としての
「多店舗展開企業(小売業)でのリスクアセスメントマニュアル」
・高年齢労働者の特性を考慮した対策
「エイジフレンドリーガイドライン」
・高年齢労働者を雇用する事業者が、労働災害防止のために設備改善などを行った場合にその費用の一部を補助する補助金
エイジフレンドリー補助金
・労働者の身体機能と労働災害発生との関連性に着目し、運動習慣の定着や健康づくりを推進するための
「安全で安心な店舗・施設づくり推進運動の広報及び運動習慣定着支援等事業」(厚生労働省委託事業)※令和3年10月から参加企業の募集を開始予定
・個人向運動プログラムや栄養指導プログラム等を実施するための
「事業場における労働者の健康保持増進計画助成金」

イ 転倒災害防止の取組について
・転倒防止に関するセミナー、教材、ツール集など(STOP!転倒災害プロジェクト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
・転倒予防体操動画(厚労省が研究者と協力して開発したもの)
https://www.youtube.com/watch?v=9jCi6oXS8IY
・厚生労働省・日本安全靴工業会・日本プロテクティブスニーカー協会作成リーフレット
「転倒予防のために適切な靴を選びましょう!」
・消費者庁チラシ「毎日が#転倒予防の日~できることから転倒予防の取り組みを行いましょう~」(令和3年10月6日)
・消費者庁注意喚起「10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!~転倒事故の約半数は住み慣れた自宅で発生しています~」(令和2年10月8日)
・政府広報「たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?」(令和3年6月21日)

ウ 腰痛災害防止の取組について
・職場における腰痛予防対策を進めるために策定された「職場における腰痛予防対策指針」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html

事業者の皆様には、より一層の労働災害防止に向けた取り組みの強化をお願い致します。