2023年 新年のごあいさつ(会長 横山清)

2023年 新年のごあいさつ
一般社団法人全国スーパーマーケット協会
会長 横山清

価値変容を捉え 住み続けられるまちづくりに貢献を

新年明けましておめでとうございます。皆様には、日頃よりスーパーマーケット業界の発展と協会活動に特段のご協力を賜り、改めまして厚く御礼申し上げます。

振り返りますと2年前、2021年の新年のご挨拶で、「内食需要の高まりで売上は伸びているが、この特需に酔っているだけでは、あっという間に置いて行かれます。いつまでも続くはずはありません」と警鐘を鳴らしました。昨年は、まさしく当時の予想よりも遥かに厳しい経営環境となりました。「ある時期が来れば、元に戻る」と考えるべきではないでしょう。さらに追い込まれる状況も覚悟して、対峙していくほかはありません。
感染症の影響で、私たちの行動は大きく変容しました。オンラインの活用が進み、一方で自国を守る意識の高まりによって、グローバリズムも一体感が失われ、昨年は侵略戦争も発生してしまい、食料品やエネルギーなどの価格が急騰しています。
さまざまな問題が露見した今、我々スーパーマーケット業界も、お客様や社会の行動変容を着実に捉えたパラダイム転換、「価値変容」が求められます。
「いいものを安く売る」ことを目指し、チェーンの拡大を図ることや、スピードや利便性の提供を追求することも重要ではありますが、それに加えて、変容した生活様式に対応するサービス、価値提案が求められます。たとえば、素早く提供するよりも遅いほうが価値がある、といったシーンも増えてくるのです。
物価が上昇していく中で、自ら食事を作ることの経済性も注目されます。料理をするために毎食のメニューを考え、食材を買いに行き、そこで従業員や他のお客様などとコミュニケーションをとる。こうした行為こそが人間的で豊かな暮らしと言えるのではないでしょうか。

行動変容がもたらした、オンライン活用の普及は、地方に拠点を置くことによる不利な面をカバーしてくれました。
当協会が主催する資格検定制度「S検」もオンラインでの実施に切り替え、全国どこからでも受験や学習が可能な環境を整えました。従業員のスキルアップへの活用をお勧めします。
SDGsが盛んに叫ばれ、環境面の対応が注目されがちですが、SDGsには「住み続けられるまちづくりを」というゴールがあるのです。地域に根差すスーパーマーケットは、地域のお客様が住み続けられるよう、エッセンシャルワーカーとして「食のライフライン」を維持し、気候変動や自然災害への備えを行うなどの貢献をしていく必要があるでしょう。
リアル店舗の存在は、だれも取り残さない、持続可能なまちづくりに必要不可欠なものです。店舗の持続発展にあたって様々な課題が山積していますが、1社でできないことは、手を携えて取り組むことも重要で、その媒介者として、当協会もさまざまな活動を通じて、お役に立ちたいと考えております。
会員の皆様の声を行政や政治、社会に伝え、時には小売業界団体で結束して要望書の提出などを行ってまいります。
また、業界の実情を広くご理解いただくための統計調査は、スーパーマーケット3団体での取り組みとして10年以上のデータが蓄積され、調査の信頼性も増しております。引き続き皆様のご協力をお願い致します。

協会活動の中でも最大級の「スーパーマーケット・トレードショー」「デリカテッセン・トレードショー」を今年も2月に開催いたします。これまでの知見を踏まえ、引き続き感染防止対策を行いながら、前回を上回る出展者数で、活発な商談が行われることでしょう。
新たに設けた「冷凍×食」ゾーンのほか、健康やサステナビリティなど、お客様の行動変容に対応し、意識を高める商品やサービスを大々的に紹介します。これまでとは似て非なるトレードショーとして、製配販それぞれの皆様とリアルに交流し、「価値変容」を捉えられる場とすべく、準備を進めておりますので、ぜひ本展にご来場ください。
また、トレードショー開催後も出展者様や出展商品・サービスを検索できるサイト「リテールトレンド」を本格稼働させ、有益な情報に触れやすくするなど、デジタルの力も借りながら、リアルの充実を目指します。

本年も、明るい希望と期待を持って、皆様と歩んで参ります。関係各位のご健勝とご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶と致します。